« コラム:「他の財を数える」 | トップページ | コラム:「適材適所」 »
コラム:「吉凶」
吉凶は、人によりて日によらず。
これは吉田兼好(1283~1350)の『徒然草』の中の言葉です。
この言葉には前段があります。
「〈吉日に悪をなすに必ず凶なり。悪日に善を行うに、必ず吉なり〉といえり。吉凶は人によりて日によらず」(吉日だからといって、何でも良い結果になるという訳ではなく、悪いことをすれば、かならず悪い結果となる。反対に凶の日に善いことをしても、善い結果となるものだ。吉凶というものは、人の行動によるものであって、決して日によるものではない)。
さて、日本人は、古来、吉凶というものを非常に気にします。今でも、「結婚式は大安に」とか、「お葬式は友引はダメだ」とかが普通に語られ、むしろそれは常識人の嗜みと言っても良い程に浸透しています。
しかし、本当に結婚式は大安でなければならないのでしょうか?葬儀は友引に行ってはいけないのでしょうか?
吉田兼好の言葉は非常に合理的なものです。
丙午に生まれた女性は禍を呼ぶなどという迷信もありますが、丙午に産まれる子供を妊娠した場合、その子を産んではいけないのでしょうか?そんな馬鹿なことはありません。けれど、このような迷信を気にしてか、丙午の年には出生率は格段に減少するようです。
また、仏事に関するものでは、お逮夜が三月にまたがる場合は三十五日に満中陰を行わねばならない、というものもあります。この迷信の根拠はあまりはっきりとはしないようですが、現在よく言われるのは、「不幸が身につく」からというものです。
しかし、月末に亡くなった方の場合、必ず逮夜は三月にまたがります。亡くなった日が月初と月末との違いだけで、不幸が遺族の身につく、身につかないなんてことがあるでしょうか?何ともおかしなことです。
本来、吉凶というのは、天に任せるものではなくて、自分の行動に原因のあることの方が多いのではないでしょうか?
悪い行為をした人に悪い結果が訪れるのは当然のことです。またその反対も同様です。吉凶を日のせいにするなど、何とも無責任なことです。
仏滅に結婚すれば、誰もが不幸になるのでしょうか?そんなことはありませんね。結婚生活が良いものになるか、悪いものになるかは、あくまで夫婦二人の努力次第です。大安に結婚したって、離婚する人は山程います。
こんなことは当たり前のことでしょう。物事は本人の努力次第でいくらでも好転できるはずです。
大切なのは、自分が主体的に、正しく生きているかどうかということです。正しく生きている人にとっては、大安も仏滅も関係はないでしょう。
迷信なんかに振り回される心の弱さが問題なのです。
投稿者 sougen : 2008年05月23日 19:12
