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コラム:「今週のこころの言葉」

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財、多ければ還(かえ)って己を害(そこ)なう
  之(これ)を散(さん)ずれば即ち福生じ
    之(これ)を聚(あつ)むれば即ち禍(わざわ)い起こる


これは唐代の寒山(8~9世紀頃)の言葉です。

寒山は、中国の天台山国清寺に隠栖した豊干(ぶかん)門下の風狂の僧とされますが、実在したどうかは不明です。

今週の言葉は、この寒山の詩を集めたものとされる『寒山詩』からです。

お金は言うまでもなく大切なものです。しかし、財産があまりに多すぎると、却ってその所有者を破綻に導きかねないものでもあります。つまり、お金は諸刃の剣のごときものなのです。

ここに「之を散ずれば」とあるのは、「散財」の意味ではなく、「正しく使う」という程の意味でしょう。

正しい方法でお金を使うことのできる人の元には、福がやって来るに違いありません。

しかし反対に、守銭奴のような人の元には、きっと禍しかやって来ないでしょう。

お金には人格はありません。その所有者に人格があるのです。

そして、その所有者を狂わせるものもまたお金なのです。

お金は必要以上に持たない方が賢明と言えましょう。


ちなみに、『寒山詩』に見える詩の全体は以下の通りです。

貪人(とんじん)の財を聚(あつ)むるを好むこと [欲張り野郎が財産をかき集めるのを好むのは]
恰(あたか)も梟(ふくろう)の子を愛するが如し [まるでフクロウが子供を可愛がるようなものだ]
子は大なれば母を食らう [その子供は大きくなれば母親を食ってしまう]
財は多ければ還って己を害なう [財産が増えていくとかえって自分をそこなう]
之を散ずれば即ち福生じ [使ってしまえば福が生じ]
之を聚むれば即ち禍起こる [集めたら災難が起こる]
財無く亦(ま)た福無くば [財産もなく災難もなければ]
翼を鼓(こ)す 青雲の裏(うち) [青空の雲の中に羽ばたいて自由自在だ]
(以上、入矢仙介・松村昂訳注『寒山詩』筑摩書房・禅の語録、より引用)。

投稿者 sougen : 2008年02月03日 14:34

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