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おすすめ書籍:山折哲雄『早朝坐禅 ―凛とした生活のすすめ―

時には「ひとり」で坐ってみよ!
「群れ」を離れ、静かに自分自身と向き合えば、人生が深くなる。
現代ほど〈人間関係〉の重要性が説かれる時代もない。家族、学校、会社、それぞれにおけるコミュニケーションの大切さが謳われる一方、疲れた人やうつ病は増え続け、自殺者は九年連続で三万人を超えている。著者は、疲れたときには〈群れ〉から離れて〈ひとり〉になってみよ、という。毎朝、五分坐って、己の心と向き合う。正しい姿勢で、深い呼吸をする。季節の風を胸元に入れながら、歩く。ときには庭にたたずみ、河原で風に吹かれる。ひとり静かに自分自身や自然と向き合うことが、騒々しい人間関係の疲れを取り、豊かな人生を手に入れる最良の方法なのだ。
―凛とした生活を送るために大切な身体作法を実践的に説く、山折流・人生指南の書。
祥伝社新書、740円
【目次】
序章 自殺者三万人という異常事態
第一章 早朝坐禅 ―まず、三分から始めてみる
第二章 散歩の効用 ―歩くことで、何が見えてくるか
第三章 心が楽になる「身体作法」 ―正しい姿勢が人生を変える
第四章 うつになる人、ならない人 ―「親子関係、人間関係」でつまずかない
第五章 夜の作法を身につける ―「眠れない人」のための、夜とのつき合い方指南
終章 無常を思って生きる ―「死」を穏やかに受け容れるためのレッスン
*本書は、『早朝坐禅』と題しながら、坐禅については第一章にしか述べられない。しかも著者の本格的な坐禅経験は、永平寺での三泊四日の研修だけである。したがって、本来著者は、たとえ高名な宗教学者であったとしても、坐禅について語る「資格」のない人物である。実際、著者自身も、当初は本書を『早朝坐禅』と題することに違和感を感じたそうである。
しかし、著者は我流ながらも、30年程も早朝坐禅に励んできている。そして、坐禅や散歩に励むようになったのは、人間関係に疲れたことが原因の、うつ病経験からであったという。本書の本旨は、「いかにしてうつ病のような現代人の心の病を克服するか」ということにあるのである。
一体、本屋に行けば、坐禅指南の書は枚挙に暇がないほどである。そしてその多くは永年本格的に坐禅に励んできた禅僧によるものである。
しかし、禅僧と呼ばれる人たちの坐禅の目的は、「さとり」を求めることにあるのであって、心の病を治すことにはない。だから、禅僧による坐禅指南の書は、概ね大上段からの説明である。そして、どこか、よそよそしい。
例えば、ある禅の本山から出された坐禅の書を開いてみると、写真が多く、禅についての説明がふんだんに載せられて、見る分には美しい。禅とは何か、禅宗とはどういった宗教かが詳しく説明されていて、禅の入門書としては好書であると言える。
また、「セロトニン神経」とか、医学の用語によって、いかに坐禅が健康に良いかが説明されてもいる。
しかし、坐禅に少しでも興味を抱く現代人が、そんな専門用語や禅の知識など求めているであろうか?
彼らの多くは山折氏と同様に、人間関係に疲れ、生活に疲れ、ひどい場合にはうつ病などの神経症に苦しむ人たちである。彼らはただ坐禅によって心が軽くなることを求めているだけであろう。
本書は、やむにやまれぬ思いで坐禅に励んだ一坐禅愛好家の著として、坐禅未経験の人に、やさしくその効用を伝えるものとして格好の書といえる。
現代に生きることに疲れた人、うつ病などの神経症に苦しむ人は必見であろう。
そして、一人でも多くの人に実際に坐禅を経験して欲しい。
まずは気楽に! レッツ坐禅!
投稿者 sougen : 2007年09月09日 19:22
